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今、流行りのアニサキスってどんな病気?
ブログ2017.06.09
アニサキスとは、海産動物に寄生する寄生虫で、その幼虫はサバ、サンマ、アジ、イワシ、ヒラメ、サケ、カツオ、イカ等の魚介類に寄生しています。 魚介類の内臓に寄生しているアニサキス幼虫は、魚介類が死亡すると、内臓から筋肉に移動することが最近わかってきました。 アニサキスはクジラに代表される海洋ほ乳類のお腹の中で成虫になり産卵します。クジラがフンをしたとき、一緒にアニサキスの卵は海へ放出され、食物連鎖によって様々な魚へアニサキスの幼虫が渡っていき寄生します。 すごく怖いのは、その寄生した魚などが私たちの食卓に並ぶことが多々あるということです。 ・サバ・アジ・サンマ・鮭・タラ・イカ・ホッケ・ブリ・ヒラマサ・カンパチなど に寄生していることが多いです。 アニサキスの幼虫は最初から魚の「身」に寄生しているのではなく、魚が生きている時は「内臓」に寄生しています。捕まえられて魚が死んでしまうと、アニサキス幼虫は魚の内臓を破って「身」の方へ出ていきます。このため魚を釣り上げたらすぐに内臓を取り出すことがアニサキス症を防ぐ1番有効な手段です。 昨今、アニサキス症がニュースなどで頻繁に騒がれていますがその原因として最も多いのが ※イカ釣りブーム(エギングブーム):熟練した料理人が捌いた魚ではアニサキス症はめったに起こりませんが、最近、釣り人などの素人が、魚をさばくことが流行っていて、これがアニサキス症が激増している原因と言われています。 尚、アニサキスの有無を確認する方法として、暗闇でイカや魚の身にLEDライトを照射するとアニサキスの白い糸状の影が浮き上がって見えますので感染を予防できます。 ※サバの刺身を食べる機会が多くなったことも原因ではないかと思います。福岡の名物の1つでもある「ゴマサバ」も感染する可能性があります。お酢などで〆てもアニサキスは死なないようです。 ◆急性胃アニサキス症食後数時間後から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐を生じます。 ◆急性腸アニサキス症食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状を生じます。緊急開腹手術になることもあります。 ※アニサキス症の90%以上が急性胃アニサキス症です。※激しい腹痛があり、アニサキスによる食中毒が疑われる際は速やかに医療機関を受診してください。
アニサキスとは?
どんな症状が出るのか?
治療方法は?
当院では内視鏡を使ってアニサキスを取る方法をお勧めしています。
胃の中にいるアニサキスを内視鏡鉗子(かんし)という小さなはさみのような形をした器具を使ってアニサキスをつかみ取ります。
アニサキスは胃壁に頭を突っ込んでいることが多いので、虫体の頭部をきれいに除去することができれば、多くの場合は痛みがすみやかに治まります。
予防方法は?
・よく見る(アニサキスが見つかる場合もあります) ・魚の下処理は新鮮なうちに行う ・内臓を生で食べない ・一旦、冷凍させる(マイナス20度で24時間以上冷凍) ・十分な加熱をする(60℃で1分or70℃以上の熱を与える) などが効果的と言えます。
アニサキス症の予防に最も有効なのは、海産魚介類の生食を食べない、また、冷凍処理、加熱調理を行うことです。